/  アタシは朝礼をすませ、藤ノ宮センパイがいるであろう、人気のない指導室 へと向かった。と、そのとき。 「……ぁあんっ……」  声は、問題の指導室からで、アタシは少し開いたドアの隙間から中を覗いた。 / そこにはなんと、ソファの上で絡み合う、一条さまと藤ノ宮センパイの姿があ った。 「……ぁあ……うんっ……」  もっぱら声を上げているのは一条さま。藤ノ宮センパイの顔は前髪にかくれ てよく見えないけど、すごく冷めているのがわかった。 /  けれど、なんていうか……。アタシは、藤ノ宮センパイのしなやかな指の動 きや、一条さまの肌に這わせる唇から目が離せなくて……いつの間にか、アタ シのアソコは生ぬるくぬるんでいた。立っているのもやっとの程で、アタシは 壁に寄り添い、そして、藤ノ宮センパイに行為を強要する一条さまに、怒りを 覚えた。 /  と、一条さま声がして、アタシは物陰にかくれた。 「今日はすごく良かったわ。これくらいで許して、あ・げ・る。それにしても、 アナタも損な性格よね。あんな子をかばって。わたくし、あの子を味見しそこ なったじゃない」 (げげっ、味見ィ?) / 「それじゃ、ごきげんよう。藤ノ宮」  一条さまは廊下を去っていく。  そっか……。藤ノ宮センパイは、アタシのかわりに一条さまのお相手をして たんだ。 / 選択     @藤ノ宮センパイにかばってもらったことに罪悪感。        A呆れてモノも言えない。帰る。